食物アレルギー・アトピー性皮膚炎

ここでは食物アレルギーとアトピー性皮膚炎について説明いたします。
まず最初に知っておいてほしいことがあります。それは食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は同じものではないということです。この二つはよく混同されていますが、本来はそれぞれ別の状態です。乳幼児から小児にかけては食物アレルギーとアトピー性皮膚炎を同時にもっているお子様は多いですが、この二つは別々の状態ととらえていただいたほうが病態への理解もまた実際の治療もスムーズに進みます。

食物アレルギー

●食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食物が原因でアレルギー反応が起こり、じんましんや嘔吐、下痢、咳、ゼーゼー(喘鳴)、呼吸困難などの症状が出ることをいいます。
食物アレルギーにはいくつかのタイプがあります。なかでも即時型反応で最も重い状態をアナフィラキシーと呼び、時に血圧低下や意識障害など生命をおびやかす危険な状態にいたることもあります。
食物アレルギーの頻度はわが国では1歳未満のお子さんの約10%、3歳のお子さんの約5%、学童以降のお子さんの1.3〜2.6%くらいであると報告されています。
アレルギー症状の原因となる食物は,食物アレルゲンと呼ばれ本体は食物中のたんぱく質です。原因食物は,0歳では鶏卵,牛乳,小麦の順で多く3品目で全体の9割を占めます。1歳以降鶏卵と牛乳の頻度は急速に漸減し,学童期では甲殻類,果物類が問題となります。
食物アレルギーは、病型によって発症年齢、原因となる食物の種類、食べても症状が出なくなる耐性獲得の可能性、アナフィラキシーショックのリスクなどに違いがあります。
食物で症状が出ても,免疫が関与していない場合は食物アレルギーではありません。
食物アレルギーは,症状の出かたや重症度に個人差があり,原因となる食物アレルゲンの種類,量,品目数,耐性獲得の時期なども人により異なります。医療機関で診察や検査を受け,医学的な根拠に基づいた治療に取り組んでいただくことが大切です。

●食物経口負荷試験

食物経口負荷試験は,食物アレルギーの最も確実な診断法で,原因食物の判定にも有用ですが、最近では食物除去の解除を目的として実施することがほとんどです。
食物負荷試験は食物アレルギーの経過や検査データを参考に,リスクを評価して行いますが、原因食物を微量から摂取してもらい増量していきますので、実際に症状が出現することもあります。
当院ではそのような場合への対応ができるような体制を整えて実施しております。
食物負荷試験によって原因となる食物の最小摂取量(しきい値)を知ることができ、食物除去を完全除去から部分除去とすることが可能になります。また結果によっては完全に除去を解除することもできます。
食物負荷試験を受ける必要があるかどうかなどの詳しいことについては、受診のうえご相談ください。
※食物負荷試験の施設認定について 
 当院では以前より食物アレルギーの方について、原因食物が食べられるかどうかを確認する経口食物負荷試験をおこなっておりますが、2017年より緊急時医療体制などの厚労省施設基準を満たし、認定施設として実施しております。

 

アトピー性皮膚炎

●アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、皮膚にかゆみの強い湿疹ができ、それがよくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。生後2〜3ヵ月を過ぎたころから発症することもあり、年齢によって症状が変化していく特徴があります。
乳児期では顔や体などに赤いブツブツとした発疹、首やわきなどにジクジクとした発疹が出ることが多いですが、年齢がもう少し大きくなり幼児期、小児期になると皮フの乾燥、ザラザラが目立ってきて、腕の内側、膝のうしろなどに特徴的な湿疹がみられるようになります。さらに大きくなり思春期近くになると皮フの黒ずみ、ゴワゴワ感が目立ってきます。この状態のまま成人のタイプのアトピー性皮膚炎に移行していくこともあります。

●アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の患者さんは、「アトピー体質」という遺伝的な要素をもっており、ここにダニやホコリ、食べ物などのアレルゲン、または乾燥や汗などの環境要因が加わると、アトピー性皮膚炎が起こると考えられています。食物アレルギーのところでも触れましたが、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは重なる部分もありますが、本来別々のものであることをご理解ください。

●アトピー性皮膚炎の治療

典型的なアトピー性皮膚炎となった方での治療では、皮膚の炎症をおさえる「ステロイド外用薬」や「タクロリムス軟膏」などの塗り薬、皮フの乾燥傾向を防ぐための保湿の塗り薬が基本になりますが、「抗ヒスタミン薬」などの飲み薬でかゆみをコントロールすることも大切です。

●アトピー性皮膚炎の予防

小児期のアトピー性皮膚炎の場合は、その症状は乳児期から幼小児期に変化していきますが、その変化を早期に把握してアトピー性皮膚炎の進展を予防することが特に大切となってきます。特に乳児期からのアトピー性皮膚炎のお子様については皮フの状態を良好に保つことが重要です。この時期の皮フの乾燥を保湿剤などで予防することや皮膚炎の治療をしっかり行うことが、その後のアレルギーマーチの進行を防ぐと考えられています。

 

★外用薬と保湿剤の正しい使い方

外用薬は「必要な量」を「必要な期間」塗りましょう

■アトピー性皮膚炎の治療のために処方された外用薬に、不安をお持ちの方がしばしば見受けられます。私たち医師は、症状に応じて最も良いと思われる薬を適切に選んでいますので指示された通りに使用することが大切です。
■塗る量もとても重要です。分からないときはきちんと医師に確認してください。自己判断で薬の量を調節したりすることもよくありません。
■「いつまで塗ればいいの?」と疑問に思う方もおられると思いますが、炎症がおさまったように思っても、自己判断でやめたりしないようにし、必ず主治医に相談するようにしてください。

保湿剤の役割と効果

■アトピー性皮膚炎の患者さんは、乾燥肌になりやすい体質があり、もともと皮膚に備わっているバリア機能も低下していますので、アレルギーの原因物質が体の中へと入り込みやすくなっています。そのため、アレルギーや炎症が起こりやすく、かゆみも強く出やすいのです。掻きこわしてしまうと、バリア機能がさらに低下し悪循環となってしまいます。
・このような乾燥肌を防ぐためには、保湿剤によるスキンケアが重要です。アトピー性皮膚炎の場合、保湿剤の使用は、スキンケアであると同時に治療でもあり、外用薬に次いで大切なものです。炎症がうまく抑えられれば、炎症を抑える外用薬が少なくできたり、早めに止めることにもつながります。保湿剤も医師の指示に従ってきちんと続けるようにしましょう。

小児科・アレルギー科

小児科では、主に小児期の患者様を中心に診療させていただいておりますが、アレルギー科については成人の方も診させていただいています。
小児科については小児期の一般的な疾患の診療と各種予防接種、健診も行っています。
アレルギー科については気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症、ダニアレルギーなどのアレルギー疾患に関して、原因についての検査から治療・生活指導にいたるまで出来る限りトータルな診療をめざしております。

●小児科の受診に際して

●アレルギー科の受診に際して


院長/ 太神 和廣

医師 略歴

東京大学医学部医学科卒業。
太田綜合病院小児科部長・太田西ノ内病院小児科部長を経て、平成11年おおがチャイルドクリニック開業、平成26年9月よりおおがクリニック院長

専門分野

小児科・アレルギー科

所属学会・医会

日本小児科学会・日本アレルギー学会・日本小児科医会

専門医

日本小児科学会専門医・日本アレルギー科学会専門医

医師からのメッセージ

小児科・アレルギー科を担当しております。
主に小児期の患者様を中心に診療しておりますが、アレルギー科については成人の方も診させていただいています。
小児科については小児期の一般的な疾患の診療と各種予防接種、健診も行っています。
アレルギー科については気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患に関して、検査から治療・生活指導にいたるまで最新の診療をめざしております。

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診療方針・診療科目

おおがクリニック診療科目

小児科・アレルギー科、内科・リウマチ科・膠原病内科

診療方針

☆こどもからおとなまでの健康を守ります
☆よりよい医療をわかりやすく提供します
☆地域の皆様とともに、明るく親しみやすいクリニックをめざします

当クリニックの特色

☆小児科・アレルギー科
当院での診療は小児科・アレルギー科となっており、主に小児期の患者様を中心に診療させていただいておりますが、アレルギー科については成人の方も診させていただいています。
小児科については小児期の一般的な疾患の診療と各種予防接種、健診も行っています。
アレルギー科については気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患に関して、原因についての検査から治療・生活指導にいたるまで出来る限りトータルな診療をめざしております。

☆内科・リウマチ科・膠原病内科
内科・リウマチ科・膠原病内科ではまず第一に地域のかかりつけ医として一般内科の診療を行いますが、専門分野としてリウマチ・膠原病の診療にも重点をおいております。
リウマチ・膠原病は原因不明で治療困難と言われていましたが、近年いろいろな新しい薬の進歩により病状のコントロールが可能になってきました。
リウマチ科では従来不可能であった寛解(症状が落ち着いて安定した状態)を目指して診療を行なっていきます。また関節エコー(超音波診断装置)を導入し早期発見にも力を入れており、治療では種々の生物学的製剤積極的に導入しております。
膠原病内科では全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎・強皮症・シェーグレン症候群・リウマチ性多発筋痛症などの治療を行っております。

 

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