アレルギーのなぜ・なに
スギ花粉症の舌下免疫療法についておしえてください

スギ花粉アレルギーの治療として従来の皮下注射による免疫療法(減感作療法)に加えてあたらしく登場したのが、舌下免疫療法です。

少量のスギアレルゲンを含む治療薬を舌の下に滴下することでアレルギー症状を和らげる治療法です。

ただし今起きている症状に即効性があるわけではなく、来シーズン以降の症状を改善するためのものです。一日一回少量から服用をはじめ、徐々に増量し3週間目以降は毎日つづけます。治療は数年にわたり続けることが推奨されています。


小児のスギ花粉症の特徴はどんなことでしょうか

スギ花粉症は大人に多いと思われていますが、実際には子どもの年齢でもかなりの割合でその症状がみられます。ある報告では幼児で約8%、小学生では約20%に花粉症の症状がみられたとされています。症状としてはおとなと同じく鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどですが、年少児では症状を訴えることができないのでカゼと間違えられていることもよくあります。子どもに比較的目立つ症状としては鼻をこする、眼の回りをこするなどのしぐさがあります。またアトピー性皮フ炎のある子では顔面や眼の回りのアトピーがスギ花粉の時期に悪化することもよくみられます。
治療としてはおとなの方と同じで鼻症状については軽症の場合は主に飲み薬で、重症になれば点鼻薬を加えることになりますが、年少児では点鼻薬はいやがって続けるのが難しいこともあります。難治性の場合は減感作療法があり小児では大人よりも有効といわれています。


スギ花粉の時期をすぎても花粉症の症状がつづくのですが

スギ花粉症のかたで一旦治まった症状が5月の連休後にふたたびひどくなったかたはスギの後も飛散がみられるヒノキの花粉にもアレルギーになっているか、あるいは5月以降夏まで飛散がつづくイネ科の花粉によるアレルギーが疑われます。しかしヒノキ花粉症の場合は6月には症状が治まりますので、この時期に症状がひどくなっている方はイネ科アレルギーを考えたほうが良いと思います。
イネ科のなかまではカモガヤが代表的な雑草ですが、このほかにもハルガヤ、オオアワガエリなど多数のものがあり、散歩の途中道ばたをみると沢山みられます。スギ花粉に比べてサイズが大きいので遠方までは飛散しませんが、雑草・牧草の多いところで遊んだりすると症状が急にひどくなることがよくみられます。アレルギーの原因については血液検査か皮膚テストで調べることができます。


花粉症の低年齢化が進んでいるというのは本当ですか

花粉症になっている人の年齢でもっとも多いのは30歳~40歳台といわれており、この年齢層では、大体4人に1人の割合でスギ花粉にアレルギーがあることがわかっています。小児では、5歳~9歳では7.5%、0歳~4歳でも2.1%のこどもがスギ花粉へのアレルギーがあるといわれています。またスギ花粉症のおとなとこどものグループを比較するとこどものグループのほうがより低年齢でスギ花粉症を発症していることが明らかになりました
このように統計的にも花粉症の低年齢が示されていますが、実際、病院に受診してくるこどもたちにも以前より明らかにスギ花粉症は増えてきています。この原因についてはいろいろといわれていますが、最近の報告では乳児期のアトピー性皮膚炎のこどもがスギ花粉症になりやすいともいわれています。アレルギー・アトピーの病気はお互いに関連していますので、アレルギー性疾患の増加とともにこどもの花粉症も増えているともいえそうです


赤ちゃんで鼻がつまっているのですが花粉症でしょうか

そろそろスギ花粉が本格的に飛んでくる時期です。この時期に鼻水が出たり、鼻がつまったりすると花粉症を疑いたくなりますが赤ちゃんあるいは乳児では典型的な花粉症はまずありません。というのはアレルギーは何度も同じアレルゲンに曝されているうちに起こってくるからで、シーズンの間しか飛んでこない花粉ではアレルギーになるには2シーズンは必要だからです。
この年齢での鼻づまりはよくありますが、大部分はいわゆるカゼの症状です。しかし、なかにはアレルギーのある子の初期の症状であることがあります。そのような場合は鼻づまりがなかなか治らない、よくゼーゼーする、ヒフにアトピーの傾向がみられるなどの症状が組み合わさっていることがよくみられます。
また鼻づまりとは関係ありませんが、スギ花粉で顔のアトピーが悪化する子はしばしばみられます。


春先の時期のこどものくしゃみ・鼻水は花粉症?それともカゼ?

幼児期のお子さんでもスギ花粉が飛んでいる時期にくしゃみ・鼻水が出ていると、花粉症ではないかと疑いたくなります。実際、以前に比べてこどもでも花粉症が増えており、また低年齢化していることがわかっています。しかし花粉症かカゼかの区別はそう簡単にはつけられません
区別のポイントは去年の同じ時期に同じような症状があったかどうか、目をかゆがる、目が赤いなどの眼症状があるかどうかです。しかしこどもでは今年、花粉症にはじめてなったということも多く、また眼症状がめだたないこともよくあります。
きちんと診断するには、血液検査などの方法を用いるのが一番確実ですので、かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。


こどもの花粉症で注意すべき点はありますか

最近こどもの年齢でも花粉症が増えてきていることが話題になっておりますが、幼児期ではよく注意していないとカゼと間違えることがあります。特に2月から3月のスギ花粉症の季節ではカゼをひく子も多いこともあり花粉症と気がつかないこともあります
カゼと花粉症の違いは、カゼでは熱やせきなどを伴うことが多いのに比べ、花粉症ではこれらの症状はなく目の充血・かゆみなどがみられることです。また毎年同じシーズンに症状がみられることも特徴です。また花粉症では鼻づまりも目立ちますが、カゼでは乳児期以外は鼻づまりはそれほど多くありません。また花粉症ではサラサラの透明な鼻水であるのに対して、カゼによる鼻水では粘っこいことが多い点も異なります。いずれにしてもアレルギーによるかどうかは検査によって調べることが必要です。


来シーズンにむけての花粉症の対策をおしえて下さい

今年の春は、昨年にくらべスギ花粉症の症状がひどかったという人も多いようです。スギ花粉の飛散が終わっても、ヒノキやイネ科の花粉アレルギーもある場合は夏まで症状が続くこともあります。
さて来年以降の花粉症を軽くするためにはどうすればよいでしょうか。ひとつにはシーズン中のアレルゲンとの接触を少なくすることです。一般にアレルギーは原因となるアレルゲン量のからだへの侵入が多いほどその後の症状がひどくなりますので、アレルゲンを避ける工夫が大事です。
ふたつめは来年の花粉シーズンには飛散開始前に予防的な治療を開始することです。花粉アレルギーの症状は飛散初期は軽いのですが、時間が経つにつれ鼻づまりなどの慢性の症状がひどくなります。また日常生活の支障をきたすほど症状が強い人は来年にむけての減感作療法を考えてもよいでしょう。


小さいこどもにも花粉症はありますか

花粉症が発症する年齢は20~30代がもっとも多いとされていますが、小さいこどもでも花粉症になることがあります。しかし花粉アレルギーになるにはまず最初の年に花粉に接触することが必要なので、1歳未満で花粉症となることはまずありません。1歳以降は年齢が増えるにしたがってスギなどの花粉にアレルギーになる子が出てきます。最近は花粉症になる小児が増えてきており、低年齢化していることが話題になっています。
こどもでは花粉症のアレルギーの症状である鼻水やくしゃみがかぜと思われていることも結構あります花粉症とかぜとの違いは、かぜでは熱やせきなどを伴うことが多いのに比べ、花粉症ではこれらの症状はなく目の充血・かゆみなどがみられることです。また毎年同じシーズンにこれらの症状がみられることも特徴です。はっきりと診断するには鼻水を調べたり、血液検査をしたりする必要があります。


花粉症の対策はどうすればよいでしょうか

空中に飛散する花粉によって主に目や鼻のアレルギー症状を起こすことを花粉症といいます春先に飛んでくるスギ花粉症が有名ですが、5、6月頃のカモガヤなどのイネ科花粉、秋のブタクサなどの花粉も同様の症状を起こします。ダニなどの室内アレルゲンと違ってアレルゲンの量を個人の努力で減らすことはできないので、アレルゲンに接触しないようにすることが主な対策となります。
今から本格的となるスギ花粉症については、花粉の飛びやすい天気の良い日の外出を避ける、外出時はメガネやマスクを着用する、窓を開けないようにする、フトンを干す場合にも花粉が付着しないようにするなどの注意が必要です。
症状を軽くするには花粉の飛びはじめる前から抗アレルギー薬を内服することが有効です。また例年症状が強い人の場合は点眼薬、点鼻薬の予防的使用もすすめられます。根本的な治療としてはアレルギー反応を起きにくくする減感作療法があります。


スギ花粉の時期に顔が赤くなるのですが?

ふつうの花粉症は鼻症状、眼症状が主ですが、中にはこの時期に顔や首、眼のまわりが赤くなりかゆくなる人がいます。このような皮膚の症状がスギ花粉のアレルギーによって起きる場合をスギ花粉皮膚炎と呼んでいます。
スギ花粉皮膚炎の方には本来アトピー性皮膚炎がありスギ花粉の時期に悪化するタイプと、アトピー性皮膚炎を伴わずにこの時期のみに顔、首などの皮膚炎がみられるタイプの二通りがあります。後者のタイプの人はもともとのドライスキンのために皮膚のバリア機能が低下しているためになりやすいといわれています。治療としてはどちらのタイプにしても外用薬と内服薬の併用が有効です。予防としてはスギ花粉を浴びないようにすること、外出後は石けんを使わないで洗顔し保湿することがたいせつです。


口腔アレルギー症候群とはどんな状態ですか?

特定の果物や野菜を食べると15分くらいして口唇や舌、のどがかゆくなり、じんましんが出たり、さらにはお腹が痛くなったり、吐き気がしたりする方がいます。ひどい場合にはぜん息のような症状が出ることもあります。特定の果物・野菜といってもいろいろなものに反応する場合もありますので、原因が分からないでいることもあります。代表的な果物としてはリンゴ、モモ、ナシ、メロン、スイカなど、野菜としてはトマト、セロリなどがあります。
このような症状を起こす場合を口腔アレルギー症候群とよんでいますが、小児によく見られる卵や牛乳などの食物アレルギーと異なり、年長児や成人によくみられます。その理由として考えられているのは花粉症との関連でシラカバ花粉症の人は口腔アレルギー症候群になりやすいことが知られています。スギ、カモガヤ花粉との関連も考えられています。原因については血液検査で調べることができます。


アレルギーの免疫療法・減感作(げんかんさ)療法とは何のことですか?

スギ花粉やダニなどのアレルゲンに反応しやすくなっている状態を「感作(かんさ)されている」といいますが、この状態を軽くすることが減感作あるいは脱感作です。実際には原因アレルゲンのごく微量を皮下注射あるいは舌下に投与し、これをすこしずつ増やしながら根気よくくり返していくことによってアレルギー状態を軽くしていきます。
アレルギーの根本的治療法のひとつでぜんそくや花粉症に有効な治療ですが最近ではスギ花粉症での舌下免疫療法が脚光をあびています。有効率は皮下注射法では60~80%程度といわれています。難点はくり返し継続する必要があることと、効果がでるまでに少なくとも舌下免疫法では2~3ヶ月、皮下注射法では半年程度かかることです。この治療の対象となる方は、一般的な治療でも症状が改善しない方で、成人でも小児でも有効ですが、小児では舌下免疫法はできず注射による治療となります。したがって免疫療法は幼児のお子さんには向いていないといえます。


アレルギーのある人でもインフルエンザなどの予防注射はできますか?

予防注射を受けようとすると必ず「アレルギーがありますか」という問診項目があります。アレルギーのある人はこのような質問をされると予防接種ができないのではないかと心配してしまいますが、実はそうではありません。この質問の意味は予防接種のワクチンの成分に対してのアレルギーがあるかどうかということですから、例えばぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患があったとしても予防接種は普通に受けられます
しかし予防接種の種類によってはワクチンの中に卵の成分がわずかに含まれていることがありますので、卵アレルギーのある人は注意が必要です。このような注意が必要な予防接種はインフルエンザと麻疹(はしか)のワクチンですが、卵アレルギーがあったとしても事前にテストを行えば接種が可能なことが多いので主治医に相談して下さい。


アレルギーの減感作(げんかんさ)療法とは何のことですか。

アレルギーの原因になっているアレルゲンを注射することによって症状を軽くする治療法のことです。アレルギーの症状はアレルゲン(スギ花粉やダニなど)が体内に入ってくることによって起きます。アレルゲンに対して反応しやすくなっている状態を感作(かんさ)といいますが、この状態を軽くするという意味で減感作あるいは脱感作といっています。
実際には原因アレルゲンのごく微量を注射し、これをすこしずつ増やしながら根気よくくり返していくことによってアレルギー状態を軽くしていきます。
アレルギーの根本的治療法のひとつですが、難点は注射をくり返す必要があることと、効果がでるまでに少なくとも半年程度かかることです。効果はアレルギーの種類によっても違いますが、スギ花粉症やぜんそくでは6~7割程度の人に有効といわれています。


アレルゲンとは何のことですか。

アレルギーを起こす原因となる物質をアレルゲンと呼んでいます。アレルゲンがアレルギーを持つひとの体内にはいると血液中などにあるIgEという抗体と結合してアレルギー反応を起こします。アレルゲンには空気中に飛散して鼻や口から吸入される吸入アレルゲン、食べ物として消化器系より吸収される食物アレルゲン、皮膚に付着してアレルギー反応を起こす接触アレルゲンなどがあります。このほか注射薬や飲み薬として体内に入りアレルギーを起こす薬物アレルゲンもあります。
吸入アレルゲンの代表的なものはハウスダスト、ダニでありアレルギー性ぜん息の原因となるほか、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎も起こします。また皮膚に付着するとアトピー性皮膚炎の悪化の原因ともなります。スギや雑草の花粉も吸入アレルゲンですが、粒子が大きいため鼻や眼にとどまり鼻水、くしゃみ、眼のかゆみなどのおなじみの花粉症の症状を起こします。しかし吸入されても気管支には到達しにくく、ぜん息の原因にはなりにくいことが分かっています。


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