関節痛・リウマチ

【関節痛】

関節の痛みは、日常生活でもよくみられます。たとえば五十肩(肩関節周囲炎)や変形性膝関節症のような関節疾患でも起こりますし、関節リウマチのように多くの関節が痛むこともあります。細菌やウイルスが関係していることや女性ホルモンが関係していることもあります。いずれにしても関節痛は、その原因疾患を明確にしてその治療を行うことが必要です。
以下は、関節痛を起こす代表的な疾患です。

  • 関節リウマチ
  • 乾癬性関節炎
  • 線維筋痛症
  • 反応性関節炎(ライター症候群含む)
  • 変形性関節症
  • リウマチ性多発筋痛症
  • IgG4関連疾患
  • 悪性関節リウマチ
  • 強直性脊椎炎
  • 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
  • 結節性多発動脈炎
  • 顕微鏡的多発血管炎
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
  • (チャーグ・ストラウス症候群)
  • 混合性結合組織病
  • シェーグレン症候群
  • 若年性特発性関節炎
  • 全身性エリテマトーデス
  • 全身性硬化症(全身性強皮症)
  • 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
  • 多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)
  • 多発筋炎・皮膚筋炎
  • ベーチェット病
  • 痛風、偽痛風
  • 更年期障害

 

【関節リウマチ】

1.関節リウマチとは?

関節リウマチ(RA)は、関節を覆う膜(滑膜)に炎症を起こす慢性の炎症性疾患です。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こります。関節破壊(骨びらん) は発症6カ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著であると言われています。発症早期から適切な治療を行わなくては関節予後及び生命予後を改善することはできません。このためには、早期診断・早期治療が必要になります。RAの有病率は0.5〜1.0%と言われています。男女比は7:3前後、好発年齢は40〜60歳で、日本には 約70万人の患者がいるとされています。

関節リウマチの関節の変化

2.原因

原因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されていますが、詳細は不明です。

3.症状

1)全身症状
RAの活動期には、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹などの全身症状が出現します。朝のこわばりは本症に特徴的であり、持続時間は疾患活動性を反映します。

2)関節症状
関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発します。なかでも、手関節、近位指節間 (PIP)関節、中手指節間(MP)関節が侵されやすいです。このほか、足趾、肘、膝、足関節などの 中・小関節が侵されます。当初は腫脹、疼痛などの炎症所見が主体ですが、遷延すると関節可動域の低下、拘縮などが起こります。急性期には関節液の貯留がみられることもあり、進行すると関節の破壊、筋の萎縮、腱の断裂などにより特有の関節変形が起こります。

3)その他
リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤であり、活動期にみられます。内臓病変としては、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれます。

4.診断

RAの診断は、EULAR分類基準が用いられます。この基準では、他の疾患では説明のできない1ヶ所以上の関節炎があり、以下のスコアリングシステムで6点以上の場合をRAと診断します。

5.治療

症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせます。

内服薬一覧

生物学的製剤一覧